URL共有型マイクロブログ「Talk Line」の開発

松村祐介

概要
図1 : twitter
図-1 twitter – What are you doing? がキャッチコピー
最近、ミニブログ・マイクロブログという形式のWebサービスが流行っている。マイクロブログとは、twitter(図-1)に代表される短いテキスト・動画像などを投稿・共有し合うWEBサービスのことである。マイクロブログは極めて単純な機能しか持たないが、Follow機能によって多くのユーザーと広く浅く交流できるようにデザインされている。また、以前からWeb2.0サービスの典型的な例としてソーシャルブックマーク(以下SBMと記述 図-2)が不特定多数のユーザーと情報を共有するための情報源として注目されてきた。SBMはフォークソノミー(ソーシャルタギング)を用いて同一種の情報を紐付け、多くのユーザーによってブックマークされている(=ホットな、流行の)情報を抽出したりといった情報共有のデザインがなされている。図2 : はてなブックマーク
図-2 はてなブックマーク – 国内最大のSBMサービス
本研究ではマイクロブログによる情報の共有に焦点を絞り、このマイクロブログとSBMのデザイン、「シンプルなコミュニケーション」、「多くのユーザーと広く浅く」、「情報を共有する」といった点を組み合わせ、マイクロブログとSBMとを融合させた情報共有ツールを開発した。
開発の動機
開発者はtwitterを愛用しているが、使っていくにつれてある問題を感じるようになった。昨年の報告書においても上野研究室の松村飛志が twitterを紹介しているが、その後も国内でのtwitter人気は高まり続け、ついには日本語化されるまでに至っている(2009年3月現在、 twitterの言語選択には英語と日本語しか存在しない)。利用者は増え続け、ギーク達の交流もより一層活発になっている。しかし、twitterでは、すべての発言が一つのタイムラインに流れ込み、次第にタイムラインが混沌とした状態になるのである。ある程度の分類はツールによってグループごと、キーワードで抽出などという風に可能であるが、twitter内の発言の大半は相互に関連のないつぶやきなので、内容そのものは統一性のないタイムラインとなってしまう可能性が高い。そこで前述の通り、SBMの情報共有デザインを組み合わせ、マイクロブログの投稿をURLごとに整理しようと考えた。また、SBMにはコメント機能が付いたものが多いが、そのほとんどは複数回のコメントができないものであった。これもコメント部分をマイクロブログで置き換えることで解決が図れそうであり、マイクロブログとSBMの親和性により一層魅力を感じたため、本システムの開発に乗り出した。
開発方法
昨年の報告書でも述べられていたが、すでに上野研究室の松村(飛)・土橋研究室の瀧本によってWebを活用した開発スタイルの重要性が示されており、筆者もWebで情報を収集し、オープンソースソフトウェアを駆使して開発を行った。本研究ではオブジェクト指向言語rubyとそのフレームワークであるRubyOnRails(以下Railsと記述)を用いて開発を行った。Railsは CakePHP(Goovieで使用されているPHPフレームワーク)やSymfony(同じくPHPフレームワーク)よりも少し前から流行り出したフレームワークで、これら後発のフレームワークに強い影響を与えたソフトウェアである。Railsを採用した理由は、twitterがRailsを採用しており、twitterが流行ったことからRailsでマイクロブログを作るサンプルがいくつかWEBで公開されているなど情報が豊富であったためである。データベースは現在のRailsの標準であり、可搬性に優れるSQLiteを採用した。SQLiteはMysqlなどと異なり、データベースをファイルとして管理するため、サーバー移行やバックアップの際などにそのファイルをコピーするだけで済むなど、扱いが容易である。そのため、今後のGPプロジェクト用サーバーで開発している本システムを地域・他研究室などのサーバーに移行する際に、移行先でデータベースの設定をしなくてすむという目論見がある。
開発成果
図3 : TalkLine図-3
Talk Line – 今回開発したURL共有型マイクロブログ

図-3が今回の研究成果であるURL共有型マイクロブログTalk LineのHOME画面である。基本的にtwitterを踏襲した操作法なので、twitterユーザーであれば違和感なく使えるのではないだろうか。 twitter同様HOMEにFollowしているユーザーの投稿が表示される。各jポストにはfrom(URL)というパラメーターが設定されており、そのリンクをクリックするとURL別のタイムラインが表示される。その他の機能としてユーザー・投稿・URL別タイムラインを表示する機能を実装した。従来のSBMとの最大の違いはコメントが必須であること(コメントをする=ブックマークする、という構造)と1つのURLに対して複数回コメントできること、Follow機能によって好きなユーザーのブックマーク・コメントをタイムラインに表示できることである。
今後の展望図4 : tweetdeck図-4
twittetdeck – AIR製アプリで複数タイムラインを並列表示できる

基本的なシステムは完成し、URL別に振り分けてタイムラインを形成することが出来た。しかし、実際に使いやすいかは今後研究室内などで使ってもらって意見を募る必要がありそうだ。また、インターフェースの問題として結局HOMEがごちゃごちゃした表示のままという問題を改善する必要がある。いくつかのルール(グループや今自分が注目しているURLなど)で検索可能にし、それらで抽出してできたタイムラインを図‐4のtwittetdeck(twitter用クライアントの1種。HOME のタイムラインからグループ、キーワードなどで投稿を抽出し、新たなタイムラインとして並列して表示できる)のように並列して表示できるとスマートではないだろうか。機能的な部分としてはRSSフィードの出力・外部サービスと連携するためのAPIといった機能のほか、より特徴的な機能を持たせて競合するサービスとの差別化を図っていきたい。将来的にはユーザーごとに過去の投稿を元に形態素解析をして近似する投稿を行っているユーザーや特徴語の含まれるページなど、Followやタイムラインのレコメンデーションを行えるようになると面白いだろう。